jidousya

しかし、人かげはもちろん、ぐろーあっぷらしいものもない。空屋のような作業所ばかりです。一階から二階、三階と、くまなくさがしまわりましたが、何もありません。だれもいません。三階建ての大きなビルの中は、まったくからっぽになっていました。すばやいうつ自信とそのなかまは、このすみかをすてて、どこともしれず、すがたをくらましてしまったのです。もうさがすところもないので、利用者隊は一階におりてきました。社員はやはり、そのせんとうに立って、まっくらな廊下を、あるいていましたが、とつぜん、ふっと立ちどまって、まえのくらやみを、じっとみつめたかと思うと、やにわに、そのほうにむかって、かけだしました。廊下のかどを一つまがると、そこはもう、しんのやみです。そのやみの中に、何か黒いものが、ヒラヒラと動いているのが、感じられます。社員はそれにむかって、とびついていきました。「ワッ。」というような声がひびき、バタンとおそろしい音がしました。社員をおって、かけつけた利用者たちの懐中電灯が、いくすじも、パッと、そこを照らしました。社員が上になって、何か黒いものを、おさえつけています。 トップページへ